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INTERVIEW

卒業生インタビュー

卒業後も自分の夢に向かって歩み続ける学院の先輩たち

INTERVIEW02

長嶺育弘さん

宮崎大学医学部附属病院
救急救命センター助教

長嶺 育弘さん

平成10年度卒業生。大分大学医学部卒業後、県立宮崎病院で研修。平成19年より聖路加国際病院、但馬救命救急センター、宮崎大学医学部附属病院、県立宮崎病院において救命救急医として研鑽を重ねる。現在も、宮崎大学医学部附属病院救急救命センター助教として救急救命の第一線で活動。

夜勤明けでお疲れのところ、大変申し訳ありません。いきなりですが、救命救急という分野に進まれたきっかけは?

父が医師なので、小さい頃から将来は医療関係に進みたいと考えていました。私が研修医の頃、まだ宮崎では救急医療の整備が不十分だったので、その分野の体制が整っている県外で学び、宮崎でそれを活かせればと思ったのがきっかけです。

実際に県外ではどのような経験をされたのですか?

東京の聖路加国際病院では救急部に勤務し、同じ日向学院卒の先輩で地下鉄サリン事件のときに陣頭に立たれた石松先生のもとで勉強させていただきました。また、兵庫県の但馬救急救命センターでは年間1200件ほど救急のドクターヘリが出動するのですが、そのうち400件ほどにたずさわりました。

そういえば、先日私が大淀川の河川敷を散歩していたら、ドクターヘリが対岸に着陸して、患者さんを下ろしていましたよ。

宮崎でも、ドクターヘリが数年前に立ち上げられ、ちょうどその頃私も宮崎に帰り、今お話した経験を活かすことができました。宮崎では年間450件くらいヘリが飛んでいますが、私は宮崎にもどってきた当初の2年間で160件ほどフライトしました。現在でも、ひと月に2、3日ヘリ担当の日があります。また、2014年4月から、県立宮崎病院と宮崎大学医学部附属病院に、それぞれ主旨は違いますが、ドクターカーも設置されました。当時、私は県立宮崎病院に勤務しており、その立ち上げにたずさわりました。県立宮崎病院の場合、ヘリが着陸できない市内中心部が主な活動の場で、少しでも早く重症患者に対して適切な治療を開始することを目的としています。

気が緩められないお仕事とは思いますが、やりがいは何ですか?

やはり、患者さんがよくなって帰っていかれること、特に難しい状態にあった患者さんが良くなっていかれることですね。

ドクターヘリをバックに

近年、宮崎の救急医療の体制も整えられてきているんですね。さて、お話の順が逆かもしれませんが、ここからは学生時代のことをお聞きします。まず、日向学院を選んだ理由を教えてください。

私は3人兄弟の真ん中で、3人とも学院出身です。私は兄の通っている学校へ自分も進みたいと思い、学院を選びました。兄の時代はまだ男子校で、学院の学ランへの憧れもありました。ただ、私のときから男女共学になり、制服もブレザーにかわりました(笑い)。

学院時代はどんな学生生活でしたか?

中学時代は野球部に所属し、キャッチャーをしていました。高校では生徒会の副会長を務めました。文化祭や海の家での勉強合宿がなつかしいですね。勉強面では、学校で与えられたことに手を抜かずに一生懸命取り組み、それが大学合格につながりました。学院の6か年一貫教育のシステムにうまくのっかった感じで、中3の頃公立の友だちと比べたら、自分がずいぶん難しいことを勉強しているので驚きました。

大学時代は勉強がたいへんだったでしょう。

大学時代は、再び好きな野球に取り組みました(笑い)。それから、当時海外ドラマの『ER』という番組を見ていて、救急医療に従事することに憧れを持つようにもなりました。

今後の目標を聞かせてください。

私が学生の頃、救命救急の講座はありましたが、実際には夜中の急患に対応するといった時間外診療の観がありました。2000年代前半になって、都市部のみで整備されていた救急医療が、ようやく地方にも導入され始めました。現在、宮崎の救急医療は順調に整備されつつあります。今の職場も、設立当初は担当医が3名でしたが、やがて6名に増え、現在は17、8名と充実してきました。今後も、この分野の発展にもっともっとたずさわっていきたいです。東京や兵庫でも医療活動をしてきましたが、それを活かして宮崎県人として宮崎のために頑張ろうと思っています。 また、個人的には、すべてを1人で完結できる救急医を目指しています。救急医は、まず重症患者の体全体を見て、速く正確に判断した上で、今しなければならない処置をほどこします。これまでの経験でだんだん自信を持てるようになってきましたが、今後も幅広い知識を身に付け、そのアップデイトをはかっていかなければならないと考えています。そして、最終的には状況に応じて手術までできるスキルも身につけていきたいです。

学院生や受験を考えている小学6年生にひと言お願いします。

私は意外と単純な人間で、あまり遠い将来を見すえて行動するのは得意ではありません。おそらく小学6年生の皆さんや中学生の皆さんも、「大学受験を目指して、今から」といってもあまりピンとこないかもしれません。ですから、今は、まず自分の目の前にある仕事や課題を手をぬかずにしっかりやりとげることを目指しましょう。そして、いろいろなことを幅広く自分の中に取り込んでいきましょう。その1つ1つの積み重ねが、必ず自分の将来につながっていくと思います。

最後に学院卒でよかったと思うことがありますか?

学院は先生たちとの距離が近く、絆が強いことです。また、伝統のある学校なので、いろいろな先輩方との縁も生まれてきます。まさに私の場合、聖路加国際病院の石松先生とご縁がありましたし、現在の職場でもたくさんの学院出身者の方といっしょに仕事をしています。また、校訓「己を知り、己に克て」という言葉を時々思い出しながら、自分に打ち克つ努力をしています、とても難しいことですけれど。

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